風魔の如く~紅月の夜に~
「ん?どうしたんだ?」
「ごめん。ちょっと伝言頼んでいい?私、これから少し、職員室で杏先生と話ししなくちゃいけないから、杏子に『学内限定あんぱん・デラックス』の予約を頼んでおいてくれない?」
「別にいいが・・・授業には遅れないようにな」
そう言うと、晶は滝沢と別れた。晶が見えなくなると、滝沢は職員室とは逆の、女子トイレへと向かった。
やがて、トイレに着くと、一番奥の個室に入った。
このトイレは使用者が少ない。少し歩けば、もっと場所的に便利なトイレがある上に、ここのトイレは決して綺麗とも言えない。
今、このトイレの個室にいるのは滝沢だけである。勿論、滝沢はここにトイレをしに来た訳ではない。もっと重要な事をしに来たのだ。
「・・・ねえ、そこにいるんでしょ?ケルベロス」
滝沢が天井に向けて話し掛けると、突如、天井に大きな穴が空いた。
その穴は、底がなく、まるで地獄に続いているようである。そこから、不気味な程に冷静な声がした。
「分かっていたのか・・・・」
「当たり前、『闇夜の黒薔薇』をあまり甘く見ない事ね。貴方がここに来るなんて珍しい事も有るのね~。今日は何の用?」
「・・・・ここの闇使いがやられました。」
滝沢の顔が険しくなる。
「そう・・・やったのは誰?」
「分かりません。私も困っていまして・・・なんせ、やられた本人の言っている事が支離滅裂で、私の仕事が出来ませんので」
「何?その闇使い、生きてるの?」
滝沢の顔は、さらに険しさを増した。まるで、なにか汚らわしいものを見ているようである。
それを察したのか、ケルベロスと呼ばれた者は、静かに言い放った。
「ごめん。ちょっと伝言頼んでいい?私、これから少し、職員室で杏先生と話ししなくちゃいけないから、杏子に『学内限定あんぱん・デラックス』の予約を頼んでおいてくれない?」
「別にいいが・・・授業には遅れないようにな」
そう言うと、晶は滝沢と別れた。晶が見えなくなると、滝沢は職員室とは逆の、女子トイレへと向かった。
やがて、トイレに着くと、一番奥の個室に入った。
このトイレは使用者が少ない。少し歩けば、もっと場所的に便利なトイレがある上に、ここのトイレは決して綺麗とも言えない。
今、このトイレの個室にいるのは滝沢だけである。勿論、滝沢はここにトイレをしに来た訳ではない。もっと重要な事をしに来たのだ。
「・・・ねえ、そこにいるんでしょ?ケルベロス」
滝沢が天井に向けて話し掛けると、突如、天井に大きな穴が空いた。
その穴は、底がなく、まるで地獄に続いているようである。そこから、不気味な程に冷静な声がした。
「分かっていたのか・・・・」
「当たり前、『闇夜の黒薔薇』をあまり甘く見ない事ね。貴方がここに来るなんて珍しい事も有るのね~。今日は何の用?」
「・・・・ここの闇使いがやられました。」
滝沢の顔が険しくなる。
「そう・・・やったのは誰?」
「分かりません。私も困っていまして・・・なんせ、やられた本人の言っている事が支離滅裂で、私の仕事が出来ませんので」
「何?その闇使い、生きてるの?」
滝沢の顔は、さらに険しさを増した。まるで、なにか汚らわしいものを見ているようである。
それを察したのか、ケルベロスと呼ばれた者は、静かに言い放った。