風魔の如く~紅月の夜に~
―夜中(一時)―
「全く、ミクの奴め・・・」
夜中の街を、一人の男性が歩いていた。見える全ての店はシャッターを下ろしていて、まるで彼を拒絶するかのようである。
彼の名は水野忠行(21)、フリーターである。彼は本来、この時間ここにいる筈はなかった。
いつもなら今頃、彼女のミクと一緒に暖かい布団の中であるからだ。
しかし、忠行は今日に限って失敗してしまった。二股がミクにバレたのだ。恋人同士なので、合鍵をわたしていたのがまずかったと、今更ながら忠行は思うのだった。
(まさか、家の玄関で鉢合わせとはな~・・・俺もツイてね~な)
そんな事を考えながら歩いていると、ふと影が見えた。やけに大きいのと、小さいのが一つ、自分の前を歩いているのである。所々、会話も聞こえる。
忠行は悪いとは思いながらも、少しその会話に耳を傾けた。どうやら、話しているのは一方だけのようだ。
「全く、ミクの奴め・・・」
夜中の街を、一人の男性が歩いていた。見える全ての店はシャッターを下ろしていて、まるで彼を拒絶するかのようである。
彼の名は水野忠行(21)、フリーターである。彼は本来、この時間ここにいる筈はなかった。
いつもなら今頃、彼女のミクと一緒に暖かい布団の中であるからだ。
しかし、忠行は今日に限って失敗してしまった。二股がミクにバレたのだ。恋人同士なので、合鍵をわたしていたのがまずかったと、今更ながら忠行は思うのだった。
(まさか、家の玄関で鉢合わせとはな~・・・俺もツイてね~な)
そんな事を考えながら歩いていると、ふと影が見えた。やけに大きいのと、小さいのが一つ、自分の前を歩いているのである。所々、会話も聞こえる。
忠行は悪いとは思いながらも、少しその会話に耳を傾けた。どうやら、話しているのは一方だけのようだ。