*パパはヤンキー高校生*



「瑠華のやつ遅いな。見に行ってみるか」


そう刹那さんの声が聞こえて、慌てて居間に入る。


ガチャ!!


「!…びっくりした」


平常心、平常心!
大丈夫、わたし!!


「あーすっきりした!あれ?刹那さんどうしたんですか?刹那さんもトイレですか?」


大丈夫、ちゃんと話せてる。


「何で、棒読み?しかも、女がすっきりしたーとか大声で言うもんじゃないぞ?」


やばい…棒読みになってたの?

スルースルー。


「べ、別にいいじゃないですか!どうせ私は女らしくないですよ!」

「そんな事一言も言ってねーぞ」

「瑠華ちゃんはちゃんと女の子だよ!」


…!先輩…。


「あ、いや…うん、だってちゃんと女の子だし…!あ!僕もトイレ借りようかな?一番奥だよね?柳下君!!」


先輩は勢いよく席を立ち、勢いよく私たちの間を歩き、勢いよく居間を出て行った。



「なんて、わかりやすい…」

刹那さんはボソっとつぶやいた。

「何か言いました?」

「いや、別に」

聞こえないふりをひとまず…。

「早く残ってるの食べろ。リンゴ、剥いてやるから」


先輩、また僕って使ってたなぁ。

ほんと、動揺が分かりやすい。







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