*パパはヤンキー高校生*





お昼時間。

私たちは、お昼ご飯を食べるため、屋上にいた。



「あれ?瑠華、お弁当は?」


「え……あ~、今日はパンがいいかなって」



そういえば、私…刹那さんが来た翌日から、刹那さんが作ったお弁当持って来てたよね。

今日はなかったし。

ってか、家にもいない様子だったし。

って…あんな言い合いした後だし、出て行ったかもね…。



「瑠華?どうしたの?」


「ううん、なんでもない!」


「でも、あのお弁当って、あの例のパパが作ってくれてたんでしょ?」


「う、うん…まぁね」


「今日ないってことは…!!!」



いきなりゆっこが、驚いた顔をして言葉を詰まらせた。



「な、何?!」


「あ…俺、わかっちゃったかも」


「え?わかったって??ゆっこもりー君も何?」


「昨日、先輩と帰ってるところ、パパに見られたんだ?」


(ギクッ!!)


なんでゆっこってこうも勘がするどいわけ~?!

しかもりー君も!!



「それが何よ~!べ、別に見られたって…」


「それで、昨日喧嘩して、結局仲直りできず、弁当も作ってもらえず…って感じなのね…瑠華、かわいそうに…」


「やっぱそうだったのか…瑠華、俺が先輩を紹介したせいで…あの人と…」


「は?2人ともヤだな~!やめてよ!何度も言ってるけど、私はあの人とは何も…」


「だから今日元気がなかったんだ…」


「俺達気づいてやれなかった…ごめん瑠華」



ハァ…ダメだこりゃ。

私は、そんな2人をほっといて、パンを頬張った。






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