*パパはヤンキー高校生*
キッチンに戻って、カレー作りの続きをしようと思った時、
『午後7時ごろ、〇〇町の〇〇交差点で、バイクとトラックが衝突する事故がありました。』
家の近くの交差点だ…。
それがちょっとだけ気になって、急いでキッチンに行って火を消し、またリビングに戻ってきた。
『交差点を曲がってきたバイクが、右から来たトラックに-----』
画面では、事故の状況と破損したバイクの映像が映されていた。
「え……これって……」
テレビの画面に映されていたバイクに見覚えがあった。
これ、刹那さんの友達が乗っていたバイクなんじゃないの?
はっきりとは覚えてないけど、この派手さ…。
似てる!!
『バイクに乗っていた17歳の少年と18歳の少年は、病院に運ばれましたが、頭部を強く打つなどで、先ほど死亡が確認されました』
嫌な予感が身体中を駆け巡った。
もしこれが、刹那さんの友達のバイクだったら……
乗っていた18歳の少年が、刹那さんだったら……
だってあの人…他に行く場所ないはず。
もし病院に運ばれたのが刹那さんだったら……
やだ…どうしよう。
変な考えばかりが頭をよぎる。
私は気づけば、勢いよく玄間を開け、家を飛び出していた。