*パパはヤンキー高校生*
昨日から、刹那さんがまた家に戻ってきた。
別に、戻って欲しかったわけじゃないよ?
ただ、お母さんのため…。
そう、お母さんのためだもん。
だけど私、昨日…エプロン姿でそのまま家を出たんだよね。
そこまで心配してたって事?
正直、あの行動は自分でもビックリするくらいだった。
「おい」
「は、はい!!」
「何朝からボケっとしてんだお前は」
「別にボケっとなんかしてません!」
「あっそ、じゃ、早く食えよ」
「い、いただきます」
気づけば、刹那さんが作った朝食が並んでて、刹那さんが向いに座っていた。
「これ、ちゃんと持って行けよ」
「……弁当……」
刹那さんが差し出したのは、私専用のハンカチで包まれたお弁当。
「…お前に、もう親父みたいな事しねーって言ったけど、それじゃ俺がここへ来た意味がなくなる。だから、これからもお前の親父のつもりで俺はここで生活するからな?文句、ねーだろ?ってか、あっても聞かねー」
「強制ですよね?それ」
「強制でもなんでもいいだろ?別にウザいって思っても構わねー、俺も自分の親父はウザいって思ってたからな。ってか、親父ってそんなもんだろ?とくにお前…」
「………?」
刹那さんが、私に視線をジッと向けて、
「大事な一人娘だからな」
と、言った。
ドクン!!
一瞬だけど、心臓が波を打った。
まただ……。
昨日も同じ事があった。
私、変だよね?絶対。