*パパはヤンキー高校生*
「いいのに柳下君、駅まで近いし」
「いや、ちょっと瑠華の居ないとこで増田と話したかったし」
「話したいこと?なになに?」
「瑠華のやつ、マジみたいだからさ…」
「マジ?…って?」
「本気ってこと」
「あ〜、そのマジね!で、何が本気なの?」
笑顔で見つめられる刹那。
「いや、何でも…結構鈍感なんだな…ま、そんな気はしてたけど」
「そうだ!!柳下君ってさ、瑠華ちゃんが大事なんだね〜!見てて思ったんだけど」
「……まぁな。約束だし」
「え?何?今なんて言ったの?」
「いや何でもねー。まぁとにかくだ、増田が本気ならいいんだけど、瑠華をモノにしてーなら、俺が納得してからだな」
「……ん?」
「じゃ、駅見えてきたし、ここでいいか?」
「あ、う、うん!ありがとう!!今日は楽しかったよ!また明日ね!」
「おう」
離れていく増田の後ろ姿を見つめ、しばらく立っていた刹那だった。
「簡単には渡せねーんだよな」
そう呟いて、駅を後にした。