*パパはヤンキー高校生*



「ふぅ…柳下君には驚かされてばっかりだね」


先輩は、ゆっくりしまったドアを眺めながら言った。


「ほんとですよ、毎日疲れます」


すると先輩は、切なそうな顔で続けた。


「俺はリンゴの皮さえ剥けないんだ…」

「……え?」


リンゴって…リンゴ、だよね?

先輩、何を急に……。


「先輩?私もリンゴ、剥けませんよ?」

「え?!瑠華ちゃんも、リンゴ剥けないの?!」


いきなり私の目の前に座り、私の手を握り、目を輝かせている先輩。

わぁ…近い近い!!

しかも…手!!

どうしよう、どうしよう!!

「せ、先輩…?あ、あの…ここ」

私は自分が座っている位置を指で差し、先輩に教える。

先輩はそうしてやっと、私のベッドに座っていることに気づく。


「わぁぁ!あ、あ、あ、ご、ごめん!いや、その違うんだ…いや、あの」


先輩、なんかその態度傷ついたりするかも…。

謝らなくても…私は嬉しかったのに。

なんて、言えない。


でも、やっぱり先輩はかわいい人。







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