私のOrion

「あっ‥‥。」

私の声に気付き、彼はようやく動き始めた。


私のいる方へと‥



「何してるんだ?」
と、急に話かけられ驚きながらも、平然を装い


「空を見ていただけよ‥。」
と返事をした。


"そっか‥"と、また悲しそうな顔に戻り、しばらく2人とも黙っていた。

そんな彼が気になり、気付けば話かけていた。


「あなたは何をしているの?」


彼はこちらを向き、辛そうな顔をして
「今日は‥‥大切な人の、命日なんだ‥‥」
と答えてくれた。


聞いた後に"しまった"と思ったが、もうどうすることもできず、

「そう‥‥‥」
とだけ言い、再び沈黙になった。
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