smile for me



待ちに待った部活後。
今日の部活が終わるのが早かった気がするのは、俺だけだろう。


『いやー、今日は早かったな!終わるの!』


さっきの言葉は訂正で。
こいつもだったようだ。


『そうだな。笑
サッカー部も終わってるみたいだな。』


俺達はとりあえず、アイシングやら水浴びやらをするために、水道へ向かった。
ちょうど良いことに、弘也もいた。


『おー、弘也おつかれ!』

弘也は顔を上げるなり、
『なんだ、お前らか。』
と言った。


『ひどっ!』

『お前はいちいち声がでかいんだよ。』

『元気な証拠だろ!なあ?裕太!』

『は?俺に振るなよ。』

『なんだよ2人してさ!』

『はいはい、わかったわかった。』


俺はそう言い、嘉人に目配せした。
嘉人もわかったようで、咳払いをして、弘也に尋ねた。


『弘也、あのさ、お前、麻…「おー!みんなおつかれ!」…え?あ、お、おつかれさまです。』

『おつかれっす。』
と、弘也。

『あ、どうもっす。』
と、俺。


このタイミングで登場した麻姫さん。
タイミング悪すぎだろ!


『あ、嘉人、さっきの続き…』

『あれ?なんか私、遮っちゃった?ごめんね、嘉人くん。』

『あ、いや、いいんですよ。大した話じゃないんで。』

『そう?でもごめんね。
あ、弘也!早く支度してよ?私待つの嫌いだから。』

『わかってますって。昨日散々言われましたからね。支度終わったらマネ室行きます。麻姫さん今日はチャリ?』

『もちろーん。』

『わかりました。じゃ、またあとで。』

『はーい。じゃ、2人も早く帰んなよー。』

と言って、麻姫さんはマネ室へ入っていった。




え、なんなの今の。
普通にカップルの会話じゃん。
やっぱ付き合ってんのかよ。
こんちくしょう。




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