smile for me



すると、マネージャーの部室、通称【マネ室】からボトルと大きなジャグを抱えた麻姫さんが出てきた。

そのまま水道へ行き、準備をしている。


『麻姫さん、早いな。』
と嘉人が言う。

『ああ、やっぱマネさんって大変なんだな。』


ボトルを洗っていた麻姫さんが俺達に気づいて

『そこの陸部2人組!なにボーっとしてんの?部活頑張ってね!』

と、最高の笑顔つきで話しかけてくれた。


『あ、ありがとうございます!』

『麻姫さんも頑張ってください!』

と言い、そそくさと部室へ向かう。
俺も嘉人も顔が真っ赤のまま。



『なあ、嘉人。麻姫さんってクールなんじゃねーの?』

『いや、噂だよ、噂。でも正直あんな笑顔見せられたらやべーよな。』

『びっくりしたよな。俺、もっとクールだと思ってたからなんか…すげえ、ギャップが。』

『俺もだよ。』



会話中に着替えを終え、グラウンドへ出る。



サッカー部はすでにウォーミングアップを始めていた。
麻姫さんもボトルを持ってグラウンドへ出てきた。





< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop