smile for me
すると、マネージャーの部室、通称【マネ室】からボトルと大きなジャグを抱えた麻姫さんが出てきた。
そのまま水道へ行き、準備をしている。
『麻姫さん、早いな。』
と嘉人が言う。
『ああ、やっぱマネさんって大変なんだな。』
ボトルを洗っていた麻姫さんが俺達に気づいて
『そこの陸部2人組!なにボーっとしてんの?部活頑張ってね!』
と、最高の笑顔つきで話しかけてくれた。
『あ、ありがとうございます!』
『麻姫さんも頑張ってください!』
と言い、そそくさと部室へ向かう。
俺も嘉人も顔が真っ赤のまま。
『なあ、嘉人。麻姫さんってクールなんじゃねーの?』
『いや、噂だよ、噂。でも正直あんな笑顔見せられたらやべーよな。』
『びっくりしたよな。俺、もっとクールだと思ってたからなんか…すげえ、ギャップが。』
『俺もだよ。』
会話中に着替えを終え、グラウンドへ出る。
サッカー部はすでにウォーミングアップを始めていた。
麻姫さんもボトルを持ってグラウンドへ出てきた。