through love
息を切らした私は、そのまま教室へと入った。


「・・・ちぃちゃんどしたの?」


ふわふわの茶髪を揺らし、可愛い顔を心配そうに歪ませて近づく親友、彩花。ちなみに“ちぃちゃん”はあたし、香山千歳。


そりゃ、友達が息切れしながら物凄い勢いで教室入って来たらビックリするか・・・。



「アハハ、なんでもないよ彩花。」


明らかに棒読みな台詞に、彩花の表情が益々歪む。
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