I -私-
「こんな平和な町でまさか通り魔とはねぇ~。しかも、殺された人って私たちと同じ高校生らしいよっ!!」

と美月が言う。

「えっ?高校生なの!?」

「そうそう。何でも、その人東高の人らしくて、3年の、えっと・・雪都先輩?の妹らしいよ!!」

「雪都先輩の妹!?だから、最近雪都先輩学校に来てなかったんだ・・。」

と私が呟くと美月は目を輝かせた。

「何で雪都先輩が休みのって知ってるの~?学年も違うし、教室の階も違うのに~。」

「えっ!そっそれは・・・。」

「へぇ~。沙羅って雪都先輩の事好きだったんだぁ~。へぇ~。へぇ~。」

と言いながらニヤニヤした顔で私を見る。

「もう知らない!!」

と私は顔を真っ赤にしてそっぽを向く。

「ごめん。ごめん。でも、沙羅、あんた気をつけなさいよ。」

「へっ?何が??」

「通り魔事件の事。ニュースで言ってたんだけど、今まで殺された子や怪我を負わされた子の共通点が、皆女子高校生で、髪が長い子らしいから。」

「えっ・・。」

「まっ!そんな心配しなくても大丈夫だよ!!いざとなったら私が守るし!!」

「美月ったら~。」


と私が言ったのを境にこの通り魔事件の話は終わった。

美月が私を心配して忠告してくれたが、私はその時、まさか私が。なんて考えていた。

通り魔事件なんて、私には無関係とさえ思っていたのだ。
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