I -私-
そう鈍い音がした。




美月が、突き飛ばされ壁に思いっきりぶつかる。




「うっ・・・。」



美月は、酷く肩を打ちつけたようで、少し涙目になっている。




ニクイニクイニクイ



あの時と同じ声が部屋中こだまする。





そして、その声は私が聞いた声と違った。






つまり





彩子ちゃんの声ではなかったのだ。



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