I -私-
「武さん!沙羅が目を覚ましました!!!」



「本当かい!!よし!!行こう!!」



院長先生と何やら難しい話をしていた武さんだが、沙羅が目覚めたと聞くや否や顔色を変えて走りだした。



途中、何度か看護婦さんに走らないで下さいと言われたが、敢えて無視を決め込んだ。




「沙羅っ!!!!!」



思いっきり病室のドアを開ける。




そこに、沙羅の姿はなかった。
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