I -私-
「ちょっと良くなったかも・・。」



気分が悪くなり、トイレに行こうと思ったが、思いっきり空気が吸えて、誰もいないところに行きたかったのでとりあえず屋上に向かった。



「スーハー、スーハー。」



大きく呼吸を吸う。



吐き気が収まって来た所で、私は、空を見上げた。




空は、何でこんなに青いんだろう。



私の頭の中は、こんなに血で真っ赤なのに。




何で、私はこんな事してしまったのだろう。




涙が溢れてくる。




自分で言うのもおかしいかもしれないが、人間らしい暖かい涙だ。





「私は、人を殺した。」



声に出すとさらに現実味が増す。




私は、これからどうすればいいんだろう。



病気だから、責任能力がないから刑罰には、問われない。




でも、刑罰には問われないが私の罪は、一生消えない。



消えるはずがない。
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