I -私-
「なっ・・!!」



「うん。私は、罪を犯しすぎた。だから、死んで償うの。」


怖いくらいの真顔。



今の沙羅は正気だ・・・



「・・・本当に償いたいのなら、生きて償って!!死ぬなんて逃げると一緒だよ!!」



「・・一緒なのかな?」



「えっ・・・・。」



「私は、人の命を奪った。だから、自分の命を消す事が最大の償いだと思うの。もし、私がここで死ぬのをやめたら当たり前だけど生きることになる。つまり、この先、いろんな悲しみや、苦しみを感じることになると思うの。でも、それと同時にほんの僅かの幸福も感じると思う。今の私は、人の命を奪った私には、ほんの少しの幸福を味わってはいけない。生きて、何か感じる事自体が私にとっては、罪。だから私は私の手で、命を終わらせる。」



「・・・そんなっ!!勝手だよ!!死んじゃダメ!!!」



「ほら。」



「えっ??」



「私は、親友を、美月を殺そうとしたのにも関わらず、美月は、今も親友であり続けてくれようとする。これを私が嬉しいと感じないはずがない。死んでは、ダメって言ってくれる人がいる時点で私は、幸福なの。だって、私は、憎まれるべき存在だから。だから、私は、生きていてはいけないの。」



沙羅の声は、淡々としていながらどこか悲しい音をしていた。



私は、どうすればいいの??


どうすれば沙羅を助けられる??



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