I -私-
「沙羅っ!!!」



気付いたら、体が動いていた。



沙羅を助けるために。



沙羅がどう思っていようが私は、沙羅を生かしたい。



だから、助ける。



フェンスに向かって走り出す。


突然の行動に沙羅は、驚いて目を見開く。



私は、フェンスを飛び越え沙羅を思いっきり抱きしめる。



「沙羅!!お願い!!どこにも行かないで!!!死なないで!!生きて!死んだら何もかも終わりだよ!!」



沙羅に抱きつき叫びながら私は泣く。


遠くの方で武さんが危ないと叫んだが構わない。


私は、沙羅を生かすんだ。



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