I -私-
「美月ちゃん。」


なつかしい声に振り返る。


そこには、あの頃と変わらない、武さんの姿があった。



「武さんも、沙羅のお墓参りですか??」



「ああ。命日だからな。」




そう言い、私と同じように手を合わせる。



その隣で私は、持ってきた花を飾った。



沙羅が好きだった、百合の花。



百合の花を飾った瞬間、沙羅少し微笑んだ気がした。



「あれから・・3年経つんだな。」



拝み終わった武さんが少し遠くを見ながら、ポツリと言った。
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