I -私-
「そう、ですね。」



武さんにそう言われ、私は3年前の出来事を思い出していた。



3年前の出来事は、あまりにも印象深く、昨日の事のように思い出された。



でも、記憶の中の私は今よりも少し子供で、高校生で、沙羅もそうであった。



武さんの方を見ると、3年前の事を思い出しているのだろう。



どこか悲しそうに、そして寂しそうに遠くの空を見ている。


< 139 / 146 >

この作品をシェア

pagetop