Ｉ　－私－
「そういえば、彩子ちゃん今どうしてますか？？」


沙羅が自殺したと聞いた瞬間、彩子ちゃんはショックで一時的に記憶喪失になった。



治療の甲斐あってか１ヵ月で元に戻ったが、彼女の表情は常に暗く沈んでいた。



「彩子はあれから少しずつ元気になって、今はアメリカに留学しているよ。」



「そうですか。良かった。」



「美月ちゃんは、大丈夫？？」



「はい。今では、もうマスコミが来るなんて事ないし、皆沙羅の事を忘れつつあるみたいで、だから以前の生活とほとんど変わりありません。」



「そうか。なら良かった。」



沙羅の事件が発覚した時マスコミや報道陣の食いつきはすごかった。



その影響もあって学校の雰囲気も少し落ち着きがなくなり、精神的に病んでしまう子が増加した。



私も、沙羅の１番仲の良かった友達として、そして自殺の目撃者としてマスコミからしつこく追い回されるなんて事が多々あり、一時は学校に行けなくなるという事もあった。



でも、３年たった今、沙羅の事件はほぼ忘れられつつあった。
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