I -私-
「はぁ、はぁはぁ。たっただいま。」


「あんたどうしたの?そんなに急いで・・。」


「はぁっ何でもない。ご飯は?」


「えっ、あぁ、今日はカレーよ。」


「分かった。」


と言い私は洗面所へ向う。


「はぁ~。何だったんだろう。疲れてるのかなぁ~。彩子ちゃんが・・・いる訳ないのに。」


ジャージャージャー


おもいっきり水を出して手を洗う。



ジャージャーゴボッごぼっごぼごぼごぼごぼ



「えっ?・・キャッ?何?キャアッ!!」


突然尋常じゃない音が蛇口の中から聞こえる。



そして、蛇口から出ていた水が血のように真っ赤になり、蛇口から、大量の長い髪が出てきたのだ。



「何よこれ!!嫌っ!!」


と言い懸命に髪を取る。


髪はまるで、意志があるように手にこびり付いている。



「嫌!嫌!!嫌!!!取れてっ!!取れてよっ!!」


必死に髪を取ろうとするとどこからともなく声が聞こえていた。


「・・・フクシュウ。」


それは、沙羅の頭に焼き付いて離れないような声だった。

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