I -私-
「ふっ復讐??」


そうつぶやいた後、お母さんが勢いよくフライパンを持って洗面所にやってきた。



「あんた、どうしたの?すごい悲鳴だったわよ!!」


「・・今、蛇口の水が真っ赤になってそれから、すごい沢山髪が出てきた、の・・。」



「??蛇口の水なら普通に透明じゃない。」


「えっ!?」


そう言われ、蛇口を見てみると、確かにいつも通りの透明の水が出ていた。


「あんた大丈夫??立ったまま夢でも見てるんじゃない?」


と母は笑いながら言う。



「だって、髪だってこんなに沢山手についてるんだよ!!」


と言ってお母さんの方へ髪が大量についた手を差し出す。



「・・髪なんて、何もついてないわよ。」


「えっ?」


ともう1度手を見てみると、確かに何も付いていなかった。


「なっ・・なんで?」
< 20 / 146 >

この作品をシェア

pagetop