I -私-
「・・・沙羅、あんた大丈夫??」


と言う美月の声で私は、ハッ!として顔を上げた。


「大丈夫??急に叫んでどうしたの??・・・机の中に何かいた??」


と心配そうに顔を覗き込む。



「いっ今、机の、机の中に・・」




と言いかけて口をつぐむ。



クラスの皆が沙羅に注目していた。


もちろん担任もだ。


そこには、沙羅の事を心配そうに見ている子と、奇異な目で見ている子がいた。



(・・駄目だ。言っても誰も信じてくれない。変人に思われる。)



「ごっごめん。何か蜘蛛みたいな虫が、いッいたんだ。びっくりさせちゃってごめんね!!」



と何でもないように、明るく振舞う。
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