Ｉ －私－

「どうした？佐藤。」


「沙羅を、保健室に連れて行きます。」



「なっ！何言ってるの全然大丈夫だから！！」



と私が慌てて言うのにも動じず彼女は話続ける。



「沙羅は実は、蜘蛛アレルギーなんです。小学校の頃、悪戯好きの男子にかばんの中へ蜘蛛を入れられて以来、蜘蛛が駄目なんです。落ち着かせるために、連れて行っていいですか？？」


と彼女はスラスラと述べる。



「そうだったのか。桜木、そういう事は我慢せずにいいなさい。佐藤、連れて行ってやってくれるか？？」



「はい。」



今まで、変な目で見ていた子も、今の美月の説明で納得したらしく、心配そうな目をしていた。




ちなみに、美月の話した私の蜘蛛事件？は、そんな事実は本当はなく、美月の作った作り話である。