I -私-
教室を出で、しばらく無言で廊下を歩く。



他の教室の前を通ると、数学やら社会やら、はたまた先生の雑談やいろいろな話が聞こえてきた。



「・・・沙羅。」


教室も無くて、人通りの少ない廊下で急に美月が立ち止まった。



「ん?」



「あんた、机の中にいたのって蜘蛛じゃないんでしょ。何が・・何がいたの??」



美月の顔は怖いくらい真剣だった。
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