I -私-
いや、誰かなんて聞かなくても分かっている。



この声は、彩子ちゃんの声だ。



声の主が彩子ちゃんであることから、美月が犯人でないことから事が分かり安堵しながらも警戒心は払えない。




この部屋に彩子ちゃんがいるということは、美月にも危害を加えるかもしれない。



そんな事、絶対にあってはいけないことだ。




「彩子ちゃん・・・??」




返事はない。



部屋に妙な空気と、妙な臭いが立ち込める。



妙な臭い・・??



その妙な臭いとは、まさに血の臭いであった。
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