I -私-
「きっ君って。私・・??」



武さんが指をさしたのは、私、つまり沙羅であった。



「なっ何言ってるんですか!?私だって、この事件の被害者の1人ですよ!!それに、私、殺したりなんてしてません!!」



「君がそう思うのも無理はない。」



「えっ・・??」



「君には内緒で色々調べさせてもらったよ。」



「調べるって何を・・・??」



「僕は、こう見えても、昔医者を志していた頃があってね。大学は医大なんだ。」



「・・・それが何だって言うんですか??」



正直、武さんの言い方から、自分が頭がいいっていう自慢みたいな感じでイラっとした。



「初めは、君の言う、彩子がこの犯行を起こしているという言葉を信じた。でも、彩子に似た女の子を近くの漁村で見かけたという情報を得てから俺は、君の言動や行動がおかしいという事に気がついた。」




「・・・・・・・。」



「そして初めから考えてみた。誰が1番犯行が可能か??誰が生き残っているか??そして1番の決め手が、彩子の幽霊を見たのは誰か・・・??それを1つ1つ考えっていったら、バラバラだったピースが、うまく当てはまっていったよ。」



「でも、私絶対そんなことしてない!!!本当に彩子ちゃんの声を聞いたし、姿も見た。第一、何で彩子ちゃんは生きていたのにも関わらず、ずっと姿を見せなかったの??」



「記憶がなかったの。」

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