Ｉ －私－

今まで、黙っていた彩子ちゃんが口を開く。


「どういうこと？？」



「海の中で溺れて死に掛けたショックと、自殺する前に、何もかも忘れたいって思いが強かったから記憶を忘れてしまったんだと思う。」




「何で、思い出したの？？」



「お兄ちゃんが、漁村を訪ねてきたとき、お兄ちゃんの姿を見て何となくなつかしいなって思ったの。」




「そうそれがきっかけで、彩子は記憶を徐々に取り戻していったんだ。」



「沙羅ちゃん!!思い出して！！辛いかもしれない。でも、今までの事は沙羅ちゃんがやった事なの・・！！」



苦しそうに彩子ちゃんは叫ぶ。



私・・


本当に私がやったの・・？？



そんなことした覚え、全くないのに・・・