最後の恋
「萩花またご飯残したの。」

午後1時をまわりそうなころだった。

いつものようにお母さんが
私の様子を見に、病室を覗く。

『まずいし…もう食べたくない。』

「そんなこと言ってたら病気治らないわよ。」

『どうせ、もう治る見込みほとんど無いじゃん。』

「・・・と、とにかく今はちゃんとご飯食べなさい!それじゃあ、お母さん仕事に行くわね。」


図星だったのか、
逃げるようにお母さんは病室を後にした。



私の病名は【白血病】
1ヶ月前ぐらいに告げられた病気。

もともと体が弱かったため
入院なんて小さい時から何度もしてきた。


でも、今回の病気は今までとは
まったく違うのをよく知っている。



だからこそ死への恐怖と


人生への希望が失われた悲しさに


毎日押し潰されそうになるんだ。




こんな人生なら早く死んでしまいたいと思う。

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