最後の恋
さっき誰かが吐いた臭いが部屋にも伝わってくる

その臭いのせいで自分まで吐きそうになってしまう。


重い腰をあげて、窓を開けた。


外の楽しそうに遊ぶ皆の笑い声が
いっそう私を1人ぼっちにさせる。


『・・・楽しそうだな。』


思わず本音が漏れてしまう。


死のことばかり考えてる私だけれども

やっぱり、羨ましいのにはかわりない。


病弱な体と、ひねくれた性格のせいで
友達なんて1人もいない。


友達なんて、いらないと思ってた。

でも、やっぱり欲しいと思う…




皆があたりまえにもってるものが

わたしには、無い。


だから、すべてが羨ましいと思う。

すべて欲しいと思う。




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