Dragon Fang
あたしは起き上がる。
決してキングでもダブルサイズでもないベッドに二人はいるには、少しキツイ。
キツイ代わりに、近い。
起き上がると同時に、体に良壱の腕が巻きついて抱きしめられた。
体が痛い。
「あ…肋が折れる。」
「折ってやる、」
困るんだけど!
「……あの、どっちも悪いって事は分かったんだけど。元には戻れるの?」
空いていた時間を埋めるようにギュッと抱き締める良壱。
「元に…って、別れるつもりだったのか?」
「良壱は別れるつもりなんてなかった?」
「なかった。」
即答。
あたしは苦しくなって、身を捩ったら後ろに倒れた。