Dragon Fang
「別れてやらねぇ。」
そう言って、良壱は啄むようにキスをした。
「…あの女は?」
首に顔をうずめそうになった良壱を止めるように質問する。
「あ?」
「夜に電話かけて、出た時。女の声聞こえたんだけど。」
「酔ってた。」
はぁ?
素っ頓狂な声を出す前に唇を塞がれる。
「…ん、どこにいたの?」
「東街の奴らの聞き込みでバーに行ったら、女に絡まれた。」
なんと。
恐るべし、酒の力。
「…あ…の、良壱。」
「あ?」
首筋を良壱の手が滑る。