Dragon Fang
石塚を呼んであったらしく、他の教室で手当てをしていた。
良壱が向かったのは、あたし達のクラスで、夏弥はそこに一人でいた。
「…夏弥。」
倒れている体に触れる。
死んではいない。
良壱は夏弥の体に触れたあたしの手を握る。
「…あたしが…。」
「どうした?」
「あたしがもっと早くに気付いてれば…。」
情けない気持ちでいっぱいになる。
良壱は何も言わず、夏弥の体を起こした。
意識が飛んでるだけみたいで、時々眉を動かしている。
「…何も出来なかったのは、俺も同じだ。」
苦しそうな悲しそうな顔をして、良壱は呟いた。