Dragon Fang
空は暗くなっている。
「…夏弥、明日は百合祭だけど何も起こらないと…。」
「おい。」
良壱から声が聞こえる。
「何?」
「夏弥、寝てる。」
「なにー!?」
言った通り、ただこっちに背を向けていただけだと思っていた夏弥は、しっかり目を瞑っていた。
「…疲れたんだろ。」
「…ですね。」
良壱なしに喧嘩したんだもんね。
もし、その場にあたしがいても何も出来なかったと思うけど。
あたしは参加してなかったから。
でも、今は違う。
“頭脳”として使ってくれるのなら。
それなりの働きはする。