Dragon Fang
羽瑠は口を開く。
「…いや、参加しに来ようかと思ったけど。」
何やら残念そうにため息を吐いて、後ろの4人に「帰っていい。」と言う。
何となく察しがついた。
「つまり、羽瑠は…喧嘩に参加しに来たと?」
「やってなくて残念。」
「一生くたばってろ、この馬鹿兄貴!!」
暴言を軽く流して、羽瑠は校舎を見上げた。
あたしは少し安心する。
「……何かあったか?」
ソレが見抜かれたらしく羽瑠は柔らかい笑顔を向けてきた。
羽瑠を喧嘩相手に回すのは、嫌。
「賢いお兄様に話してみろ、な?」
この馬鹿さ加減は誰にも負けないらしいと思いますが。
「…お兄様の好きな人って、誰?」