Dragon Fang
あたしは秒針で目が覚めた。
とても規則正しく、まるで人の心臓のような…
まるで…?
頬に当たるのは、シーツではなく、灰色の良壱のTシャツ。
「なっ。」
なんであたしは良壱の上に乗ってるのー!!
あんぐりと口を開けた。
「叫んだら殺すからな。」
叫ぶ前に念を押される。
こんなところで命を落としたくないから、あたしは静かに体を起こそうとした。
「…良壱。」
「あ?」
「腕、離して。」
背中で結ばれている良壱の腕。
聞いていないのか、フリなのか、返事が返ってこない。
ただ、次の瞬間。
視界が180度回転した。