Dragon Fang
感情は消えない
原因と結果が繋がっているように。
過去と未来が切り離せないように。
北街と暴走族は共存している。
目を覚ますと、良壱が隣にいなかった。
今日から夏休みだし、コンビニとか行ってんのかも。
気にしないで、冷蔵庫から麦茶を取り出す。
不意にその手が止まった。
あたしは振り返った。
「…何?」
誰かに問いかけた訳じゃない。
遠くから聞こえる夥(オビタダ)しい数の爆音。
ここら辺の暴走族の爆音ではなく、羽瑠の所でもない。
あたしは、良壱がいない理由を今更分かった。
舌打ちをして着替える。