Dragon Fang
徒歩で行くのに、さほど時間はかからなかった。
でも、予測した通りの破壊力。
外から分かるくらい、窓ガラスが割れている。
これじゃあ警察が動くのも時間の問題。
あたしは校舎に静かに入って、階段を目指す。
一瞬で。
後ろから振り下ろされた鉄パイプを避ける。
「後ろからって。狡いでしょ。」
一番狡いあたしが言うのも可笑しな話だけど。
鳩尾を蹴って、動かなくなる。
階段を上がれば教室。
「な…つや?」
急に腕を捕まえられ、振り向けば夏弥がいた。
「良壱、理科室にいる。行ってあげなよ。」