Dragon Fang
その事に少し複雑な感じになりながら、タキはあたしの前の机に座って向き合う。
「良いよ。ナルちゃんと話すのは楽しそうだし。」
「それはありがとう。」
一応お礼を言って、返しておいた。
話、というのは良いけど何から話せば良い?
「…名前。タキって、タキカケルっていうの?」
「あー、そうだよ。もしかしてタキが名前だと思ってた?」
「思ってた。」
ナントカのタキって言われても分からない。
あたしにそういう知識的な事を求めても無駄。
理科室の外は静か。
誰一人の足音が聞こえない。