Dragon Fang
「ナルちゃん、良壱と仲直りしたんだね。」
窓の方に視線を向けて、タキは懐かしむように言う。
まるで、もう自分は出来ないかのように。
「時間が経つほど、距離は遠くなる。時間と人の距離って、比例してるようだよね。
近づく人は近くなり、離れていく人は遠くなる。」
「…タキは、もう仲直りする気はないの?」
そういうのは、時間の問題じゃない。
気の持ちようの問題。
「…出来ない。」
「でも、きっと。これはあたしの推測だけど、良壱は和解を望んでる。」
そうじゃなかったら、今こんな風になっていない。
引っ掛かる族があれば、直ぐさまカチ込めば早い話。