Dragon Fang
息を吐いた亜美は、自販機の前で座る。
「…結構地味だったでしょう。」
あたしは言った。
見上げて、フッと笑った亜美。
「本当は、空(カラ)の東街の溜まり場でも荒らそうかと思ったんだけど。」
あたしの言い訳がましい言葉を聞いてくれた。
「これは、良壱の問題だし。カチ込むのも面倒だったから。」
「あんた、本当に変わったよね。」
あたしは、でしょう?と肩を竦める。
亜美は、呆れたように笑い、立ち上がって倉庫に入って行った。
「期待しててくれて、ありがと。」
そう背中に声をかけた。