Dragon Fang
言葉が続かない。
殆ど離れて暮らしていた母親の不治の申告。
あたしが泣くべき場面なのだろうか?
「…だから、羽瑠に来てもらったの。彼と一緒にね。」
穏やかに笑う。
分かった、この感情。
『信じたくない』
「…やだ。」
あたしは首を振る。
「那瑠、しょうがないって。あたし、こんなに若く見えても年はいってるし。」
なんか微妙に自慢が入ってる。
「…どうして。」
「病気だもの、しょうがない。」
あたしは、何も言わずにお母さんに抱きついた。
懐かしい感じが蘇る。