Dragon Fang

あたしの苦手な黒いオーラを出す人がいない今、絶好のチャンスだ。

「素晴らしい事はしてないよ。」

にこり、と笑う夏弥。

「本当に何してたの?」

もう一度聞くと、鋭い答えが返された。

「俺に聞いても、良壱の事は分からないよ。」

…この人。

心を読み取る力があるのかもしれない。

その通り、あたしが知りたいのは良壱の事。

同じ時期に学校に来なかった夏弥は、良壱と一緒に何かしていたって踏んだから。

「…何も知らない?」

「知ってても多分言わない。なんで?直接聞けば良いと思うけど。」

夏弥の言ってる事は正論だ。

正論すぎて、言い返したくなる。

「あたしはそうだったけど…なんか、どこかのチームを飲み込んだって人に言うの嫌なんだよね。」





< 18 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop