Dragon Fang
時計の針は止まらない
暴走族の爆音よりは酷くないけど、外から入ると結構騒がしい。
それでも、涼しい。
「お前が居て、本当に良かった。」
「随分、急なんだけど。」
クレーンゲームの一点を見つめている良壱は、あたしを見ない。
でも、続ける。
「お前が居なかったら、あのまま翔との関係壊れてた。」
だから、あたしも見なかった。
「あたしが居たから、あんな複雑な関係になったんだよ。」
「どっちにしろ、あの街からは出てくつもりだった。」
動揺して思わず目が良壱に向いたけど、良壱は集中しているみたい。
「きっと出てくってなったら、翔は止めるだろ。だから、お前の所為じゃねぇ。」