Dragon Fang
入ってくる良壱があたしを見た。
あたしは良壱から目を逸らす。
なんだか、申し訳ないような気持ちになった。
秘密を隠しているような気持ちに。
夏弥はきっと、良壱には何も言ってくれない。
だから…
「良壱、去年の学校休んだ理由って何?」
その言葉はあたしからではなく、夏弥から出た。
…おぉぉい!!
夏弥は何故あたしの予想を大きく超えてくれた。
何もする事が出来ず、ただ口をパクパクとしている事しか出来ない。
「あ?」
そして、案の定。
良壱が睨んだのはあたしだった。