Dragon Fang
そんな“龍に睨まれた蝶”をクスクス笑う夏弥の計算か。
夏弥はきっと知ってる。
良壱が何をしてたか、ってことを。
だから、わざわざ確認するような夏弥を良壱は不審に思って、あたしを睨んだ訳か。
「…何。」
分かっていながらも、良壱に聞いてみた。
「この間からお前、何がしたいんだよ。」
「この間?」
…というのは、きっと羽瑠に会った日。
毎日一緒にいるって怖いて思う。
後ろめたい気持ちが勝って、平気で嘘がつけなくなるから。