Dragon Fang
夏弥の方を見て、あたしは「何?」と聞き返す。
「…今回、起こるかもしれない抗争。」
起こるかもしれないって事は、思い当たる節があるらしい。
そして、やっぱり良壱だけではなく夏弥にも関係してる。
あたしの読みは大体は的を得ていた。
「多分、翔…向こうのトップは北街を飲み込もうとすると思う。
でも、向こうのトップが本当に狙ってるのは俺らだ。」
夏弥は総長の顔になり、淡々と話す。
「…そう。」
あたしは肩を竦めて軽く受け流す。
良壱は黙ったまま。