Dragon Fang
その溜め息にイスに座っている男がこっちを向いた。
髪はキャラメル。
ジャラジャラと首の回りにアクセサリーをつけていて。
偉そうに組んだ足に、雑誌を乗せている。
「…蝶々じゃん。」
少し驚くように、あたしを見た。
「久しぶり。相変わらずクラブのオーナーか?」
「本職だからな。」
その男は、笑う。
通り名はいくつもあるらしいけど、あたしは“セン”と呼んでいる。
centerの意味で。
「また変な事に首を突っ込む気か。」
楽しげにわらうセンは、夜の世界の情報屋。