Dragon Fang

別に怒ってないみたいだった。

あたしは、牛乳が嫌い。

だから背が伸びないとか言われたりするけれど、飲まない。

…そのせいで、カルシウムが足りてないんだ、きっと。

先に電話を切った。

あたしは、蝶々。

掴めなくて闇を舞う。

今は、良壱が掴めない気がした。

人が来る時間になって、良壱の姿を見た。

良壱は、何も言わずにあたしの隣に座る。

向こうが何も言わないんなら、こっちも言わない。

あたしは、完全に殻に閉じこもろうとしていた。





< 59 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop