Dragon Fang
別に怒ってないみたいだった。
あたしは、牛乳が嫌い。
だから背が伸びないとか言われたりするけれど、飲まない。
…そのせいで、カルシウムが足りてないんだ、きっと。
先に電話を切った。
あたしは、蝶々。
掴めなくて闇を舞う。
今は、良壱が掴めない気がした。
人が来る時間になって、良壱の姿を見た。
良壱は、何も言わずにあたしの隣に座る。
向こうが何も言わないんなら、こっちも言わない。
あたしは、完全に殻に閉じこもろうとしていた。